2024年度後期 応用法社会学 期末試験講評

・問1 (1) 配点15点
 解答においては,《プロフェッションとはどのようなものか》と《プロフェッションを社会学的に把握するとどのように分析されうるか》それぞれが記されていることが必要である。結果的には,よく書けている答案,まぁまぁ書けている答案,ほぼ書けていない答案,の3つに分かれた。プロフェッション自体の説明が書けていない答案が少なからずあり,それによって差がついた。

 ・問1(2)配点 15点
 これも(1)と解答の構造は同じで,《パノプティコンとはなにか》と《パノプティコンをめぐって,フーコーはどのような議論を行なってきているか》の両方が記されていることが求められる。出題者としては,(1)より難しいのではないかと思いつつ作問したが,結果としては(1)よりもよく書けている答案が多かった。フーコーの議論の社会現象説明力はかなり高いので,受講者には,今後も関心を持ち続けてほしいと思っている。

・問2 配点70点
 解答上の要件として,社会理論を「複数」用いることが求められているので,その点を適切にクリアできたかどうかが一つ重要なポイントとなった。比較的多くの答案がこの点について,「リベラル・フェミニズム」と「ラディカル・フェミニズム」の二つを挙げる(応用する)ことによってクリアしており,それは(答案におけるそれぞれの当てはめが適切であるという前提で)要件を満たしたものとして採点した。ただ,出題者の意図としては,設問の事例が社会構築主義的な社会理解にストレートに当てはまるものと考えていたので,社会構築主義への目配りがなされた答案があまり多くなかったのは,やや意外ではあった。答案において社会構築主義を思い浮かべなかった受講者は,ぜひ,いまからでも,設例の状況を構築主義的に分析することを試みてほしい。

・最終評価
(期末試験90%,ミニットペーパー10%で計算した点数)の分布は以下のとおり: 
 履修登録者18名
     90点以上:2名
     80-89点:3名
     70-79点:3名
     60-69点:3名
     59点以下:7名